空色

生まれてから初めて経験した感覚だった。

この前、バイトに行く途中ふと視界に映った青いものに感動した。

空だ、空が青い。

当たり前だ。当たり前だったのだがひさしぶりに自然の青を見た気がした。その時に初めて気が付いた、ここ最近空が無彩色だったのだ。いや、空の色にすら気付かないぐらい心に余裕が無かっただけかもしれない。

その真相はわからないが、感動したその一瞬だけ時間が止まったような、でも風が吹いているような不思議な感覚だった事は今でも覚えている。

その時に俺の心の奥を知っている人が隣にいたならば多分俺は「ねえ聞いて空が青いよ」とバイトに行けずに涙を流していたと思う。

いつもの日常でこんなに感動出来た自分自身にもびっくりしているが、それよりも空に色が無かったという事実にもびっくりしている。

 

今空を見てもあぁ、青いなと思って終わってしまうが

またあの不思議な感覚を感じた時があればなにをした時、なにを見た時に感じたかを書き残しておくといつかまた涙が出そうになるほど感動する出来事に出会えるかもしれない